退任の挨拶について
社長からのスピーチの文例について
☆社長からのスピーチの文例
ポイント:勇退の場合であれば「わがままをお許しください」が決まり文句。後任の紹介も忘れない。
皆さん、おはようございます。定例の役員会ですが、その前にちょっとお時間を頂戴して私からごあいさつ申し上げたいことがございます。
一部役員の方には、内々ご相談申し上げてきたところですが、私は、次の株主総会をもって、社長職を退任させていただくことになりました。年齢の問題がひとつと、後進に道を譲りたいという気持ち、それに、皆さんのお蔭で本年、創業以来の記録的な売り上げを達成したという、私なりの満足感のゆえであります。どうかそのあたりの事情をご推察していただき、わがままをお許しくださるようお願い申し上げます。
なお、後任の社長には、星野孝之副社長が昇格することになりました。みんなで星野君を助けて、当社を、さらに発展させていただきたいと思います。長い間ありがとうございました。
☆社長からのスピーチの文例
ポイント:今までの支援や協力のお礼を主体に、新任者を紹介し、同様に、よろしくと引き継ぐ言葉で結びます。
このたびの定時株主総会におきまして、私、福田伸作は代表取締役社長を退任し、会長職に就任することになりました。今後につきましては、○○株式会社の一層の発展のため、経営陣の若返りを図り、後任の社長には、53歳の斎藤副社長が昇任することになりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
社長在任中の7年間は、皆様にひとかたならぬご支援、ご協力をいただき、まことにありがとうございました。おかげさまをもちまして、社業は順調に推移し、着実な実績をおさめることができました。
斎藤新社長には、旧弊にとらわれず、当社の新たな発展を目指してほしいと切に願っております。皆様におかれましては、どうか倍旧のご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げ、私の退任のごあいさつといたします。今まで本当にありがとうございました。
☆社長からのスピーチの文例
ポイント:子どもに後継させる場合は、退任の感慨よりも今後の支援のお願いに重きをおいて、あとを託します。
このたび、私は当遠藤建設株式会社の代表取締役社長を退き、長男、遠藤祐一に社業をゆだねることにいたしました。
昭和○○年の創業依頼、皆様には当社をお引き立ていただき、まことにありがとうございました。机1つ、電話1本で始めた当社が、ここまで業績を拡大することができましたのも、ひとえに皆様のご支援のおかげと、心より感謝いたしております。
新社長となる祐一は、大学卒業後、○○株式会社で修行を続けてまいりましたが、まだまだ未熟者でございます。公共事業のあり方が厳しく問われ、建設業界を取り巻く状況が厳しい中、社業を引き継ぐ息子に課せられたものは大きく、皆様のお力添えなしには、前進することはできません。
皆様には、どうかよろしくお引き回しいただき、ご助言ならびにご指導を、お願いいたしたいと存じます。
役員からのスピーチの文例について
ポイント:結びでもう一度、感謝の言葉を繰り返すと、聞き手の印象が強くなる。
皆さん、おはようございます。ただいま、下條部長からお話がありましたように、私は、この七月の株主総会で、常務取締役の職を辞させていただくことになりました。営業局担当の常務ということで、皆さんには、この四年間、ひとかたならぬお世話になり、心から感謝しております。
退任の理由ですが、昨年、末の息子が大学を卒業して親の手を離れたことと、役員の任期も切れることだし、この際、長い間家庭をまかせきりにしてきた妻と一緒に、新しい人生を歩んでみようと考えたからです。
皆さんには、下條部長を中心に、さらに立派な営業局にしてくださるようお願いして、おわびかたがた退任のあいさつとさせていただきます。長い間、お世話になりました。ありがとうございました。
はがきの文例について
謹啓 薄暑の候、いよいよご隆盛のこととお喜び申し上げます。平素は当社に格別のご高配を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
さて、私こと、
このたび○○株式会社取締役社長を辞任いたしました。微力な私が、○年間の長きにわたり、社業の進展に寄与する立場に居ることができましたのは、ひとえに皆様のご指導ご支援のおかげと、心から感謝申し上げる次第でございます。
後任の社長には、前・専務取締役の千葉則和が就任いたしました。どうか、私同様のお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、私儀、今後は参与といたしまして、さらなる社業の推進を見守り続ける所存でございます。なにとぞ従前同様のご厚誼ご指導をよろしくお願い申し上げます。
まことに略儀ではございますが、書中をもちまして、ごあいさつとさせていただきます。
謹言
令和○年○月○日
○○株式会社
参与 上原克彦
「短いスピーチ実例集」より
「ビジネス文書・書式・諸届大事典」より